500以上の働きをする体内の化学工場
肝臓は、約1~1.5キログラムもある人体最大の臓器です。胆汁(消化液)の生成や有害物質の解毒など、500以上もある肝臓の働きでもっとも重要なのは、摂取した栄養分の処理です。エネルギー源である炭水化物が小腸で分解されると、門脈(胃や小腸などから流れてきた栄養分たっぷりの血液を集める血管)を通って肝臓に送られます。それをエネルギーとして使えるブドウ糖に分解し、血液に放出して全身に供給します。また、余ったブドウ糖はグリコーゲンという物質に変えられ、肝臓に貯蔵されます。タンパク質が肝臓で分解・合成される際に、有害なアンモニアが発生します。これを肝臓が尿素に変えて血液中に流し、腎臓から尿として排出されます。
消化器官が吸収した栄養分が肝臓に運ばれる
胃や腸から吸収した栄養は門脈に集まり、肝臓に運ばれます。肝臓で貯蔵された栄養分は肝静脈、大静脈を通って心臓に運ばれ、さらに全身へと届けられます。
肝臓には全身の約4分の1の血液が流れ込んでいてその7~8割が門脈からの血液です。肝臓は血液をたくさん使って動いています。
肝臓の働き
栄養分をつくってためて必要な時に体内へ送り出すという肝臓の働きはよく生産工場に例えられます。そのほか消化を助ける胆汁の生成や解毒作用など重要な役割を担い、肝臓が健康であることは生命維持に欠かせません。
・栄養分の分解と合成
炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質のほか、消化器官から取り込まれた栄養素を分解したり合成したりする。
・エネルギーの貯蔵と代謝
グリコーゲンや脂肪、腸から吸収されたビタミンや鉄などを貯蔵し、必要な時に体内に送り出す。
・胆汁の生成
古くなった赤血球に含まれるヘモグロビンを分解した成分から、脂肪の消化・吸収に働く胆汁をつくる。
・解毒
血液中に入った有毒物質や老廃物、アルコールなどを分解して無毒化する。処理されたものは、胆汁の材料や尿になる。
アルコールが吸収、分解されるまで
体内に入ったアルコールは肝臓で分解され、最終的に尿や汗となって体外に排出されます。アルコールの量が多すぎると処理が間に合わず、アルコールが残ってしまった結果起こるのが『酔い』です。
①胃で吸収 胃に入ったアルコールの20%が胃で吸収される。
②小腸で吸収 残りのアルコールが小腸で吸収される。
③肝臓に運ばれる 胃や小腸で吸収したアルコールは門脈を通って肝臓へ。
④肝臓で分解される アルコールが分解されアセトアルデヒドになり、さらに酢酸へと分解される。
⑤心臓から全身へ運ばれる 心臓でつくられた酢酸は心臓に運ばれ、心臓から全身へ運ばれる。
⑥筋肉や脂肪組織で分解される 水と二酸化炭素に分解されると、汗や尿、呼気に含まれて体外へ排出される。
肝臓は【沈黙の臓器】とも呼ばれる
日常生活で感じる些細な不調は、肝臓からのSOSかもしれません。
肝臓に効果的なツボがあるので、手技や鍼、お灸などがおすすめです!
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