
「床の物を拾おうとした瞬間、腰に激痛が走った」
「朝、顔を洗おうと前かがみになったら動けなくなった」
「身体を少しひねっただけなのに腰を痛めてしまった」
ギックリ腰になると、多くの方が「あのとき変な動きをしたからだ」と考えます。もちろん、前屈やひねり、重い物を持ち上げる動作などが腰痛のきっかけになることはあります。ただ当院では、その一動作だけを“犯人”にしないようにしています。
コップに少しずつ水を入れていく場面を想像してみてください。水を入れつづければ、いつか最後の一滴でコップから溢れます。
では、溢れた原因は本当に「最後の一滴」だけでしょうか。その一滴がなくてもコップの中にはすでにギリギリまで水が入っていたはずです。身体もこれとよく似ています。
・睡眠不足がつづいていた。
・仕事が忙しく慢性的に疲れていた。
・寒い環境で身体が冷えていた。
・長時間同じ姿勢で仕事をしていた。
・運動不足で身体を動かす機会が減っていた。
こうした小さな負担が少しずつ積み重なり身体に余裕がなくなったところへ前屈やひねりなどの動作が加わる。つまり「物を拾ったからギックリ腰になった」というより、その動作が最後の一滴になった可能性もあるということです。
だからこそ、ギックリ腰を繰り返す方ほど「痛めた瞬間」だけではなく「その前にどんな生活をして
いたか」に目を向けることが大切です。
中医学では、腰は「腎」と深く関係すると考えられています。ここでいう「腎」は、現代医学でいう腎臓そのものだけを指す言葉ではありません。中医学では、成長や老化、生命活動を支えるエネルギーなどを含めた、より広い概念として捉えています。そのため当院では腰だけを施術して終わりではなく、
「最近、ちゃんと眠れていましたか?」
「身体を冷やす生活がつづいていませんでしたか?」
「仕事や家事で無理をしていませんでしたか?」
「疲れているのに休まず頑張っていませんでしたか?」
こうした部分まで確認しながら、身体全体の状態を見ていきます。
ギックリ腰になった直後は、無理に動かしたり強く揉んだりすることが適さない場合もあります。痛みが強い時期は状態を確認しながら必要に応じて医療機関への受診も含め、適切に対応することが重要です。そして、症状が落ち着いてから考えてほしいのが「ギックリ腰になる前の一週間」です。
睡眠時間が短くなっていなかったか。
疲労が抜けないまま働いていなかったか。
身体が冷えていなかったか。
腰や脚に違和感はなかったか。
いつもより身体が重くなかったか。
振り返ってみると「そういえば最近かなり疲れていた」と気づく方も少なくありません。
ギックリ腰は突然起きたように感じます。しかし、身体の負担はその日突然始まったとは限りません。
当院では鍼灸や手技などを用いながら腰だけではなく身体全体の状態や日常生活まで確認し、一人ひとりに合わせた施術やセルフケアをご提案しています。
大切なのは、最後の一滴だけを見るのではなくコップに何が溜まっていたのかを知ること。そこに身体からのヒントが隠れているかもしれません。
ギックリ腰や繰り返す腰痛でお悩みの方は、お気軽に当院までご相談ください。
