在宅勤務をより快適に。首や肩への負担を減らすための「環境づくり」と「過ごし方」

〇はじめに

感染症の影響で社会情勢が大きく変化し始めたのは、2020年の1月頃だったと記憶しています。
あれから6年が経過し、日常生活はほとんど以前と同じ形に戻りました。

しかし、この数年で大きく変化したのは「働く環境」ではないでしょうか。
テレワーク(在宅勤務)という働き方は、今や私たちの生活に一定数定着しています。

公益財団法人 日本生産性本部の最新調査(2025年12月発表)によると、在宅実施率は16.4%というデータがあります。
一時期のピークからは落ち着きましたが、依然として6人に1人程度の割合でテレワークを継続されている方がいるということです。

テレワークには通勤時間の削減などのメリットがある一方で、慣れない自宅環境での勤務により、お体の不調を訴える方も増加しました。
実際に当院に来院される患者さんからも、オフィス勤務と比べて首や肩のつらさを自覚するようになったというお声をよくお聞きします。

今回のブログでは、テレワークが首や肩のつらさを招く原因や、日常生活で注意すべき点について専門的な視点から詳しく解説させていただきます。


〇テレワークが首や肩のつらさを引き起こす「4つの真実」

現在は毎日テレワークという方よりも、週に数回出社し、数回は自宅で働くというハイブリッドな勤務体系の方が多い印象です。
また、今後さらにこうした働き方は定着していくと考えられます。

なぜテレワークをすると、首や肩のつらさを自覚する方が増えるのでしょうか。その主な原因をご紹介します。

1. 働く環境が十分に整っていない

在宅勤務をされている方々からお話を伺う中で、圧倒的に多いのが「環境」の問題です。
急激に導入が進んだことで、十分な準備ができないままスタートしたという背景もあります。
デスクがある方はまだ良いのですが、床に座ってローテーブルで長時間作業をされていたり、ひどいケースではベッドの上でパソコンを操作しているという方もおられました。
このような不自然な体勢での長時間作業は、体のバランスを崩し、結果として首や肩のつらさを引き起こす大きな要因となります。

2. ストレスによる影響

 

満員電車での通勤は負担になりますが、その反面、仲間に会ったり外出をしたりすることがリフレッシュになるという側面もあります。
テレワークが続くと生活が単調になりやすく、無意識のうちにストレスが蓄積していきます。

3. 座りっぱなしによる運動不足、血行不良

テレワークでは自分のデスクですべての仕事が完結してしまうため、どうしても運動量が低下します。
オフィスであれば会議室への移動やコピー取りなどの小さな動きがありますが、自宅では立ち上がる機会が極端に少なくなります。
ずっと同じ姿勢で座り続けると血流が悪くなり、筋肉や関節が硬くなってしまいます。

4. 姿勢のクセ

テレワークでは、周囲の目がない分「姿勢のクセ」が出やすくなります。
椅子の高さが合わずに足を組んだり、床での作業中にあぐらや横座りを続けたりすると、体の土台となる下半身がゆがんできます。


〇【深掘り】なぜ「下半身のゆがみ」が首や肩に現れるのか?

多くの方が「首がつらいときは首が悪い」と考えがちですが、実はその原因が「骨盤や足元」にあることは珍しくありません。

例えば、椅子で足を組んだり、床であぐらをかいてパソコン作業をしたりすると、骨盤が後ろに倒れる「後傾(こうけい)」という状態になります。骨盤が後ろに倒れると、その上にある背骨はバランスを取ろうとして丸くなり、いわゆる「猫背」の状態を作り出します。

猫背になると、数キログラムもある重い頭が体より前方に突き出ます(ストレートネック)。この突き出た頭を支えるために、首や肩の筋肉は常にパンパンに張った状態で頑張り続けなければなりません。

つまり、土台である下半身がゆがむことで、最終的なシワ寄せが「首や肩のつらさ」として現れているのです。首だけを揉んでもなかなか改善しないのは、この土台の問題が解決していないからかもしれません。


〇自律神経と「オン・オフ」の切り替えの重要性

テレワークによる不調は、物理的な姿勢の問題だけではありません。実は「精神的なスイッチの切り替え」も大きく関係しています。

かつての通勤時間は、脳にとって「プライベート(オフ)」から「仕事(オン)」へとモードを切り替えるための大切な儀式でもありました。
電車に乗る、外を歩くといった適度な刺激が自律神経にリズムを与えていたのです。

テレワークではこの境界線が曖昧になります。
起きてすぐにパソコンを開き、寝る直前まで仕事の連絡を確認できる環境は、脳を常に「オン(緊張状態)」にさせます。
自律神経が緊張し続けると、血管が収縮して血流が悪くなり、筋肉はさらに硬くなってしまいます。

「肩の力が抜けない」「しっかり休んだはずなのに疲れが取れない」と感じている方は、意識的に脳をオフにする時間を作ることが体調管理において非常に重要です。


〇自分でできるテレワークの対策3選

テレワークの利点は、自分の手の届く範囲であれば、理想の仕事環境を自由に作り出せるところにあります。

1. デスクと椅子を整える

床に座っての作業は、体にとっては負担が非常に大きいです。
私自身も、以前そのような環境で作業をしていた際に首や肩のつらさだけでなく、足のしびれまで出てきた経験があります。
デスクと椅子を整えたことで、それらの症状は改善されました。
折りたたみ式でも構いませんので、椅子に座って仕事ができる環境を作ることを強くお勧めします。

2. 無意識のクセを自覚する

足を組む、頬杖をつくといった無意識のクセに注意しましょう。
床で作業をせざるを得ない場合でも、長時間同じ座り方を続けないよう意識するだけで体への負担は軽減されます。

3. 30分に一度は体を動かす(オン・オフの切り替え)

意識をしないと、一日中動かないまま過ごしてしまう可能性があります。
30分に一度は立ち上がって少し歩き回ったり、外の空気を吸ったりして、物理的にも精神的にもリセットする時間を作りましょう。
筋肉の柔軟性を維持し、自律神経のリズムを整えることにつながります。


〇まとめ

現在も多くの方が自宅でお仕事をされていますが、環境やスペースの都合で、首や肩のつらさを抱えながら無理をされている方が多いと感じています。

ご自宅の環境を少しずつ変え、オンとオフの切り替えを意識することで、お体への負担は確実に減らすことができます。
もし今回ご紹介した対策を行っても状態が改善しない場合は、お一人で悩まずに、まずは一度お気軽にご相談くださいね。

あみはりきゅう整骨院 東陽町院
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