有痛性外脛骨

外脛骨とは

足の内側のアーチの中央部にできる過剰骨(本来よりも余計にできた骨)のうちの一つで、
外脛骨自体は異常ではなく、人間の成長の過程で、まずは軟骨の塊ができ、次にその内部が骨化していきます。

さらにその過程で近くの骨同士が癒合(くっつく)することがあり、ひとつの骨となることがあります。

幼少のころに舟状骨という足の内側の骨が出来上がる過程で、本来1つにまとまるはずの骨が別々に分かれたままになってしまうことで、舟状骨の隣に「外脛骨」ができてしまいます。文献によると5-14%の人に外脛骨があるとされています。この外脛骨ができること自体は異常ではなく、通常のことです。

 

原因

後脛骨筋腱が舟状骨に付着する部位にあり、後脛骨筋に力が加わると外脛骨に刺激が加わります。過度の運動により外脛骨が過剰な刺激を受けると、外脛骨と舟状骨の間に炎症を生じ、痛みが生じると考えられています。

また捻挫や打撲などの外傷がきっかけで、これまで痛くなかった外脛骨に炎症が起き、「有痛性外脛骨」となることも知られています。

 

  • 扁平足
  • サイズのきつめの靴を履いてプレーするスポーツ
    (陸上、サッカー、バスケットボール、ラグビー、バレーボール、剣道、新体操、バレリーナなど)
  • 走る、跳ぶ、急に止まるなどの動きの多い競技
  • 体幹の筋力が弱い

などが挙げられています。

 

発症

スポーツ活動が盛んな10~15歳に多い。特に女性に好発。

 

症状

足の内側のアーチの中央部に痛みと腫れ、発赤を伴います。押すと痛みが出ます。痛い側の足でつま先立ちをすると痛みが出ることが多く、また歩行時の痛みを多くの方が訴えます。また症状が強いと夜寝ていても痛い、あるいは足を少し動かしても痛いなどの症状になることもあります。

治療予防

症状を繰り返すものでも15~17歳の骨成長が停止するころには自然治癒することがほとんどです。

基本的には保存療法。

土踏まずのアーチが低くなることで足の衝撃緩衝能力が低下していることが見受けられます。これにより、外脛骨へのストレスが大きくなると考えられています。踵の内側(母趾側)を高くして踵が

内側へ倒れないようにし、土踏まず(内側縦アーチ)を高くするようなインソールを使用すると衝撃緩衝能力が上がり、症状を軽減するのに有効です。

テーピングでは、踵が内側へ倒れないよう貼ることが有効です。

土踏まず(内側縦アーチ)をサポートするテーピングも有効です。足の裏に貼るテーピングです。