背部痛(背中の痛み)

背部痛(背中の痛み)

◇ 背中の痛みとは?

筋肉や骨格系の機械的障害(治療院や整形外科の領域)であることがほとんどです。多くの場合、正確な診断が付きませんが、数週間で自然によくなることが多く、安静にしていて症状が軽くなるなら、経過をみるだけでよい場合も多いです。まれに、大動脈疾患、腎梗塞、膵炎(すいえん)などの内臓疾患や、腫瘍や感染性の場合もあり、これらは早期の診断・治療が必要です。

①筋骨格由来の痛み
➁自律神経系の異常
➂内蔵機疾患によるもの
④感染症など

細かく分けると多くの項目がありますが、一般的に考えると上記の様にカテゴリーが分類されると思います。

■背中の痛み

症状  病名  そのほかの症状など
正中の痛み  変形性脊椎症 高齢者
脊椎圧迫骨折  しりもちの既往、たたくと痛む、高齢者
脊柱側彎症 背中の変形、脊椎の彎曲
解離性大動脈瘤 突発する激しい胸痛・背腰痛、ショック
片側性の痛み  肋骨骨折  高齢者、押さえると痛む、胸背痛、深呼吸や体動に伴う痛み、片側性
腎盂腎炎 発熱、腰痛、背中をたたくと片側が痛む、尿の濁り
肋間神経痛 肋骨に沿った痛み、片側性
帯状疱疹 片側に水疱を伴う発疹、顔面の痛み、胸背部の痛み

 

◇痛みや違和感などの異常感覚よる症状の分類と判断

①筋骨格由来の痛み
治療院に来院される方で一番多い。
訴えの特徴として
・痛い場所を自分の指で指し示すことが出来る。
・動き始めや荷重時による痛み。
・筋肉や関節を曲げたり伸ばしたり捻ったりすると痛む。

②自律神経系の異常
自律神経系は内臓を調整する神経系(交感神経系と副交感神経系の2つがある)が体内でうまくコントロールされていないことによって引き起こされる、数々の症状を指します。
動悸、発汗、めまい、ほてり感、頭痛、胃痛、腹痛、下痢、吐き気、手指の震え、筋肉痛、喉のひっかかり、息切れ、食欲不振、
全身倦怠感などの原因が特定できない身体症状(最近では不定愁訴と言われている)について、特定の器質的疾患(検査により臓器や器官に異常が認められる病気)がない場合に自律神経系の異常(自律神経失調症)と診断されることがあります。
症状の現れ方は異なり、同時に複数の症状があったり、経過とともに別の症状に置き換わることもあります。
色々な要素が絡み合いながら背中、主に肩甲骨の内側や左右の肩甲骨の間、背骨の際などに現れる事が多いです。

③内臓疾患によるもの
結石や胆石症、膵臓の疾患なども背中の痛みを引き起こします。

④感染症など
風邪やインフルエンザ、腎盂腎炎(じんうじんえん)、帯状疱疹(帯状ヘルペス)など細菌やウイルスの感染によって背中の筋肉が痛むこともあります。さらに心筋梗塞や狭心症など心臓疾患の発作では、胸に起こる痛みが背中にまで及ぶことがあります。
参考までにご自分の背部痛などと照らし合わせて確認してみてください。

◇施術方法

筋肉の硬さや関節のポジション異状による背部の痛みには指圧やマッサージにて筋肉の緊張や硬さを緩めます。また、骨格の矯正(カイロプラクティックの手技)を行い骨や関節のポジションを正すことにより、筋肉への突き上げによる負荷や血行の通り道を確保して不調の改善に努めます。

痛みが強い場合は鍼治療を優先に行い、痛みの軽減と筋緊張の緩和、血行の促進を最優先に考え治療を行っていきます。