頚腕症候群
ここでは「頚腕症候群」についてお話させていただければと思います。
皆様はこれまで首や肩、腕にかけての痛みまたは重だるさを感じたことはありませんか?ほとんどの方が「ある」とお答えになると思います。
それもそのはずで、これらの痛みは生涯の内、およそ7割から8割の方が感じる症状だからです。実際、当院に治療にいらっしゃる患者様の多くもこれらの症状に悩まれて新患様として来院されます。
首、肩、腕に症状が出る疾患は様々ありますが、その中の「頚腕症候群」とは主に筋肉の使い過ぎによる疲労や過緊張、不良姿勢などによるいわゆる「筋肉のこり」が原因とされています。つまり骨などに異常がないにも関わらず、症状が出ているといった状態です。この「筋肉のこり」を放置してしまうと痛みや重だるさだけでなく痺れ、手の冷え、頭痛、自律神経症状や関節の可動域の低下なども引き起こしてしまいます。
当院ではその「筋肉のこり」をもとの柔軟な筋肉の状態に戻すための治療を行います。痛みの原因である筋肉の所在を明らかにし、手技療法、鍼灸治療、電気治療などを併用しつつ患者様一人一人にあった治療計画を提案させていただきます。また特に鍼灸治療は深い場所にある筋肉にしっかりとアプローチすることができ、痛みの根本をしっかりと取り除くことが可能です。また「頚腕症候群」の鍼灸治療は厚生労働省認可の治療でもあり、高い効果を多くの患者様が実感しています。
「頚腕症候群」は、首から腕にかけての痛みや痺れなどの症状を指します。
首から腕にかけての神経や血管がどこかで障害を受けて、痛みや痺れなどの症状が出るのです。
しかしどこで障害を受けているのかハッキリしない・・・そんな状態を表す名称です。
では首に原因があると、なぜ腕や手に痛みや痺れが出るのか・・・まずご説明します!
丸い粘土のカタマリがあると考えてください。それが脳ミソです。その丸い粘土のカタマリから、背骨に沿って棒状の粘土が伸びています。これが脊髄です。
棒状の粘土からは、何本かのコードが出ています。このコードに信号が流れると、筋肉を動かしたり、感覚がわかったりします。
首の辺りから出てるコードは、主に腕に行くコードです。このコードに信号が流れると、腕や手指を動かすことができます。(腰から出るコードは脚の方へ行きます。)
棒状の粘土自体や、そこから出たコードがどこかで阻害されると、腕への信号がうまく流れません。それは時に痛みとして、痺れとして、さらには感覚麻痺として自覚します。腕でそれを感じた場合、頚腕症候群を疑います。
そしてそのコードがどこで圧迫されるか分かった時、傷病名称は変わってきます。
前述した「筋肉の固さ」が頚腕症候の原因になることも、もちろんあります。しかしそれ以外にも考えられる原因がいくつかありますので、ご紹介します!!
一番大もとである、棒状の粘土が締め付けられるのは…
頚椎狭窄症が考えられます。
大もとがやられますので、左右へのコードへ信号が流れません。ですので、両腕に症状がでます。首自体が痛くなることもあります。
50代以上の男女(残念ながら加齢性変化です・・・)にみられます。鍼灸治療で緩和できるかもしれませんよ!
※シャツのボタンが急にかけられなくなった(腰椎であればオシッコやウンチが出ない、歩けない)時は早急に病院へ行く必要があります。ご注意ください!
さらに棒状の粘土から出たコードは、首の骨の間をくぐって伸びていきます。
そこで阻害を受けるのは…
頚椎症が考えられます。。
年齢の増加とともに、首の骨の形が変わります。四角のブロック状の骨が弱くなり、潰れてくるのです。
潰れると角が鋭角となり、これが筋肉などに触れることもあります。骨の尖った部分を「骨棘(こつきょく)」といいます。
その骨の変形によってコードを通す孔(椎間孔といいます)が潰れてきてしまうのです!
この症状は40代以上の男女にみられます。加齢ではありません。さらに大人になるための成長と考えましょう!こちらも鍼灸治療で緩和できるかもしれませんよ!
そしてもうひとつ、四角のブロック状の骨が1つだけ、もしくは複数個ずれてしまうことがあります。
すべり症といいます。この場合もコードへの圧迫など影響が出ることがあります。そして首の骨はブロック状になっていると申し上げました。そのブロックとブロックの間には「椎間板」というクッションがあります。
クッションの中身はジェル状となっており、そのジェルがブリン!と外へ出てしまうことがあるのです!そのジェルがコードに触れると、首、肩甲骨、腕が痛みや痺れの原因になります。
頚椎椎間板ヘルニアといいます。ヘルニアは比較的若い方に多い症状です。
20人に1人は手術対象となります。それ以外の方は、ご自身の細胞が直してくれます。その細胞のお手伝いをしつつ、症状緩和をすることが出来るのが鍼灸治療です。
手術によって切ったり貼ったりせず、ゆっくり治していきましょう。
・骨と骨の間(椎間孔)を出たコードは、次に筋肉の間を通ります。
そこで圧迫をうけるのが胸郭出口症候群(斜角筋症候群)です。(ここには神経のコードだけでなく、血管のコードもあります)
・首の筋肉がコードを押してしまう(圧迫型)タイプ(主に男性)と、なで肩(主に女性)で腕の重みがコードを引っ張ってしまう
(牽引型)タイプがあります。
牽引型は筋力トレーニングも必要ですが、どちらの型も手技治療や鍼灸治療で効果があります。
・ 首回りの筋肉を緩めると楽になるが、すぐ戻ってしまうという方はストレートネックの疑いがあります。
簡単な見極め方としては背中を壁にぴたりとつけて、アゴをひきます。
そのときに、頭が壁につかないようでしたらストレートネックの可能性があります。
原因はパソコンやスマホ、
運動不足で す。頚椎のカーブがなくなるので、頭の重さを逃がせなくなります。
すると筋肉への負担が大きくなります。しかし筋肉だけ緩めても、すぐ固さは戻ります。
根気よく治療する必要があります。普段は首を反らす運動や、水泳(平泳ぎは〇、クロールは×)をすると効果ありですよ。
私たちにご相談ください。
それ以外にも「腕へ行くコード」が首で圧迫される原因はたくさんあります。
・首下がり症候群(上を向けず頭が下がってきてしまう症状です)
・頚椎癒合症(2個あるいはそれ以上の首の骨が、生まれつきくっついているものです。)
・後縦靭帯骨化症(首の骨を安定させる靭帯が骨化してしまう難病指定です。日本人では3/100の確率で出現する症状です。)
・前縦靭帯骨化症(首の動き悪い、飲み込みにくい、声がかすれるなどの症状も診られます。)
・リウマチ(リウマチによる骨の変形は、手だけではありません。特に一番上の骨と2番目がずれると、首の痛み・頭が重い・こわばり・めまい・・・などなど沢山の症状が診られます)
etc…
首が痛い、腕が痺れる、などが症状として現れてもなかなかご自身では診断は難しいと思います。「頚腕症候群」の症状にお困りの方は多くいらっしゃいます。慢性的な痛みはそれだけで身体に大きなストレスを与え、健康的な生活を害してしまいます。少しでも思いあたる症状や違和感がありましたら、ぜひお話をお聞かせください。身体の不調を治し、よりよい生活を送れるようしっかりとサポートさせていただきます。我慢せず、まずは私たちにお気軽にご相談ください。