肘内障(ちゅうないしょう) 

子供に多い脱臼 肘内障(ちゅうないしょう) とは

特に26歳児に多く発生します。

肘関節を構成する骨のひとつである橈骨の先端の一部が輪状靭帯の下をくぐり抜けて亜脱臼(不完全に外れた)した状態です。

症状

痛みが主な症状、特に腫れや変形はみられません。 肘の外側を押されると痛みがあります。

前腕を内回しにして肘を少し曲げるようにしており、肩をあげずに手を使おうとしない姿勢をとります。

原因

手をつないで歩いているとき、幼児が急につまずいて倒れそうになった場合に、幼児の手や前腕をつかんで支えようとして急に強く引っ張った時や不意に引っ張った時におこりやすい。自分で転んだ時や、寝返りでも起こることがあります。

年齢・性別・左右差

幼児・小児期にみられ、とくに2~6歳に多い病気です。性差・左右差はありません。

症状(チェックすべき事)

突然激しく泣き出し、腕をだらりとさせ曲げようとしない、前腕を回内位にして動かそうとしない。外見上、腫(は)れたり変形したりしているようなことはないが、他動的に肘関節を屈曲するか、前腕を回外しようとすると激しく泣き出し触れようとすると嫌がります。痛みのあることがわかります。

  • 突然激しく泣き出す
  • 腕をだらりとさせている
  • 肘より下(前腕)を体に近づけ動かそうとしない
  • 肘の部分には赤みなどはない

上記の状態がみられる場合、肘内障が疑われます。

※特に、むやみに動かさないことがポイントです。

来院時の注意

上記のような状況や症状がみられる場合は悩まずに直ちにご来院下さい。発症から時間が経つほど整復(元に戻す)しにくくなるからです。

施術方法

問診と検査を行い、徒手整復を行います。徒手整復とは柔道整復師の手で元の場所に骨を戻す施術です。痛みは伴いますが観血療法(オペ)とは違い、比較的安全に施術を行うことができます。

施術後

肘内障は再発を繰り返しやすい障害です。

親御さんがお子さんに手を引くときに強く引っ張らないようにするのもそうですが、腕が内にひねられた状態になっていないか気をつける必要があります。

 

注意点

骨折の可能性!
軽くころんだだけで腫れもなく、肘内障と思っていても、骨折しているケースはありえます。骨折の方が肘内障より痛みが強い印象があります。子どもの手が動かない場合は、常に骨折を疑い、レントゲン検査を行うことも大切です。骨折を放置しておくと、治る時に変形してしまいます。子どもは、骨が柔らかいので折れやすいのですが、治りも早いので早期に固定を行う必要があります。