【 眼精疲労 】
【Q】眼精疲労とはどんな病気ですか?
【A】体の不調の原因にもなる目の疲れのことです。
「目が疲れる」「目が痛い」といったことは、誰にでも日常よく経験しますが、一般的な疲れ目なら少し休むと回復します。しかし、眼精疲労の場合は、休んでも目の疲れが取れず、症状が頑固に続いたり、体に悪影響が及ぼすこともあります。
【Q】どんな症状がありますか?
【A】
放置すると、重大な目の病気を見逃すこともあり、イライラや情緒不安定などの精神的症状に悩まされる場合も出てきます。
【Q】原因は何でしょう?
【A】大きく分けると4つあります。
(1)目の病気・・・近視、乱視、老眼やその矯正不良、ドライアイ、緑内障
、白内障やその手術
の影響、斜視、眼瞼下垂
(2)体の病気・・・更年期障害、自律神経失調症、虫歯や歯周病、耳や鼻の病気など
(3)目を使う環境・・・照明、椅子や机の高さ、悪い姿勢パソコン・スマホの使用など
(4)精神的なストレス、不安や悩み、睡眠不足、過労など
【Q】眼精疲労は治りますか?
【A】改善できます。
- 目の病気がないか検査を受け、異常があれば治療します。
- メガネやコンタクトレンズの度があっているか検眼します。
- 全身の病気がないか健診を受けます。
- 照明の明るさ、姿勢、空調など環境を整えます。
- 十分な睡眠と気分転換を心がけ、ストレスをためないようにします。
人間は、「遠くを見るとき」と「近くを見るとき」では、以下のように反応するそうです。
遠くを見るとき | 近くを見るとき |
交感神経が優位になります | 副交感神経が優位になります |
興奮状態(仕事モード)になります | リラックス状態になります |
水晶体が薄くなります
(毛様体筋が弛緩して広がります) |
水晶体が厚くなります
(毛様体筋が縮みます) |
これは狩猟生活をしていた頃の能力で、遠くを見るということは獲物を探すとこであり、緊張状態になります。つまり交感神経が優位になった状態です。
一方、近くを見るときは狩りではないのでリラックスした状態です。つまり副交感神経が優位の状態です。副交感神経の命令で毛様体筋が収縮するので、水晶体が厚くなり近くが見えるのです。
現代人はといいますと、パソコン画面を見ているときは「近くを見ている」ので、本来ならば副交感神経が優位になり、リラックスしているはずです。しかし、パソコン画面を見ていると興奮状態(仕事モード)に入っているため交感神経が優位になってしまいます。ここで「近くを見ている」のに、遠くを見ている神経が働いてしまい自律神経のアンバランスが生じてしまいます。この自律神経のアンバランスが、「眼精疲労、肩こり、頭痛、億劫な気分」の原因になるそうです。さらに30歳代から目の老化で水晶体の柔軟性が下がるといいます。
パソコンのディスプレイを長時間見なければならないような仕事の場合、焦点を合わせる毛様体筋や眼球を動かしている外眼筋の偏った緊張が継続します。
このことが自律神経の働きを乱し、交感神経が優位になり、肩こりの原因となる筋肉の異常緊張を引き起こします。そして、肩こりがさらに眼精疲労を悪化させてしますという悪循環が生じてしまいます。
肩こりだけのマッサージではなく顔、目の回り、首の筋肉を緩めたり(目の上と首の後ろに一緒に蒸しタオルを置くと効果アップ)、姿勢を正しくするように心がけたり、定期的に軽い運動をするなどして悪循環を予防することが必要です。
眼精疲労は目の病気だけでなく、身体や心の状態、環境などが重なり合う合って生じることが多いといえます。まず原因を追究して、改善できるものは改善し、適切な治療を受けることが大切です。
自律神経のアンバランスが原因かもしれないと考えられるときは、鍼灸をうけられることをお勧めします。鍼灸には自律神経を整える働きがあるからです。
「脳の延髄にある孤束核(皮膚からの知覚を脳の中枢に伝える働きがある)が鍼刺激によりひとたび興奮すると、延髄が活性化し自律神経調整の働きにつながっていると考えられています。」
※※※この記事を書いた院※※※
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院長:関口卓人