寝違えとは
「寝違え」という症状は、頚椎や肩甲骨の運動性が制限されてしまい、「頚部の可動域制限」「動作痛(頚の後屈、側屈、回旋に著明)」「圧痛」「炎症」「患部~周辺にかけて筋のこわばり」といったものが挙げられます。検査や画像診断ではっきりわかるような変化はまず出ません。正確な原因の特定は困難ですが、肩~腕の使いすぎや長時間の同一姿勢作業といった負担はリスクを高めるとされています。その他、考えられる原因をいくつかご紹介します。
【原因】
1.寝ている時の姿勢
就寝時には寝返りで姿勢を変えるのが普通なのですが、疲れきって熟睡している時などは寝返りをうつことが、出来ず筋肉が部分的に阻血状態となりしこりが出来て寝違えを起こしてしまいます。また、横向きで寝る場合には下になっている方の首が寝違えやすいといわれていて、これは、脇の下を通る神経が圧迫されることで起こります。
2.枕の高さが合わない
仰向けや横向きで寝る場合、首の骨の角度や肩の高さが合わないと、筋肉や関節に負担がかかり寝違えてしまいます。
最近では、就寝前にスマホを見ている方が多く、スマホを見やすいように枕を必要以上に高くしている傾向があります。睡眠時の呼吸にも影響しますので気を付けましょう。
3.負担のかかる動作で起こる筋肉の痙攣や足がつるのと同じような痛みが首にでます。
【検査】
・手足のしびれの有無はどうか、手足の動きは正常かどうか。→寝違えではこういった症状は見られないため、痛みがとれずに診察で異常がある場合、 頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症、関節リウマチ等を疑う。
【治療】
①初期の段階は安静。
②痛みが強い場合は炎症がある可能性が高いため、最初から温熱療法やストレッチを行うのではなく、アイシングや鍼等で炎症を抑えてから行うと効果的。
→鍼治療
落枕・・・手の甲側、人差し指と中指の付け根から1㎝程下に下がった部分にあるツボ。
人によっては2㎝ほど下がったところにツボの反応が出る場合があります。
親指と人差し指で挟むようにして強めに刺激するとよい。ツボ刺激の痛みを感じながら、できる範囲で首を動かすのがポイントです。
寝違えに効果的で、特に振り向き動作による痛みが強い場合はおすすめです。
合谷・・・
手の甲側、親指と人差し指の骨が交わった所からやや人差し指寄りのへこみにある。風邪のひきはじめ、ストレスなどに効き、目、鼻、歯痛など首から上の症状にも効果的。ゆっくりと深く押し込んでいくイメージで、手のひら全体に響く感覚を覚えたら5秒ほど押し、ゆっくりと抜くのがポイントです。効果の補足として、一時的ではありますが血圧を下げる効果も期待できます。血圧測定の直前にこっそり押してみてはいかがでしょうか?
③ストレッチ
1.首が痛む側の腕を少しずつ後ろに引き上げて45度(自然に止まったところ)で15~25秒キープ
15~25秒たったら腕を下す。1セットから2セットを繰り返す。
2.痛む側の手のひらで腰の真ん中を軽く抑えてそのままひじを軽く後ろに引いて15秒秒~25秒キープ
1~2セットを繰り返す。
3.痛む側の腕を広げて120度の角度で腕を上げる。その角度のままひじを軽く後ろにひいて15秒~25秒キープする。
1~2セットを繰り返す。
4.逆の腕で1~3まで各1セットずつ繰り返す。
これらのような要因を抱えたまま、頭や首を動かしたタイミングで症状が発生します。
早くから症状の程度によりますが治療にとりかかれば数日~数週間で症状緩和、治療しますが、重たいケースでは一ヶ月以上かかってしまう場合もあります。