変形性関節症(へんけいせいかんせつしょう)

【変形性関節症とは?】

身体の色々な関節にある軟骨が長年の生活の負担や、スポーツ活動などによって擦り減って摩擦を起こして炎症を起こしてしまう症状です。

初期には動いたり、立ち上がったりという動作の開始時に軽い痛みが出ますが、症状が進行すると歩いたり階段昇降などでも痛みを伴い日常生活に大きな支障をきたしてしまいます。

変形性関節症は日常生活で負担のかかりやすい膝関節、股関節、肩関節などに起こりやすいですが、首や指、手などにも起こりえます。

【原因は?】

変形性関節症は大きく原因不明の一次性関節症と原因になる疾患や異常がわかっている二次性関節症に分類する事が出来ます。

(一次性関節症)

主に体重の増加や年齢を重ねる事により発症する変形性関節症を指します。

あくまでも上記の影響が疑われるというだけで、原因の特定は出来ません。

一般的には四十代頃から関節の変形が始まりやすく、六十代頃に自覚症状がはっきりと出てくる事が多いです。

肉体労働や激しいスポーツなど関節に負荷のかかる生活を送る方に出やすいです。

統計上では、男性よりも筋肉量が少なく関節に負荷のかかりやすい女性に多いとされています。

 

(二次性関節症)

上記の罹患因子とは別に、ケガや病気などの基盤があって発症する変形性関節症を

二次性関節症といいます。

主たるものとしては関節リウマチなどが有名ですが、他にも変形性関節症の原因になりうる病態(二次性関節症)には以下のようなものがあります。

股臼蓋形成不全

テルペス病

大腿骨頭すべり症

関節内骨折

外傷性脱臼

放射線障害

感染

代謝性疾患(痛風。偽痛風など)

また、捻挫や骨折、脱臼などにより関節構造を障害するケガの既往歴がある方も

発症するリスクは高まります。

【症状・臨床所見】

膝などの関節に痛みが起きたり動きに制限が出てきます。

関節腔を覆う滑膜に炎症が起きると関節液が貯留し、関節が腫脹することがあります。(関節水腫)。高度の水腫は疼痛を増悪します。

進行すると軟骨の摩耗や骨の増殖性変化のために関節に変形を生じます。

膝関節では内反変形が起きることが多く、手指のへバーデン結節では屈曲変形が起きることが多いとされています。

 

検査・診断・分類

単純エックス線検査:間接裂隙の狭小化、骨棘の形成、軟骨下骨の硬化、骨嚢胞などがみられます。

血液検査:明らかな異常を示さない、他の関節疾患を除外するために行われることがあります。

【予防と治療】

一度変形してしまった関節は完全には元に戻すことは出来ません。

いかに関節の変形を最小限にするか。

症状として現れている場合には進行させないかという事が重要です。

 

【予防】

一次性関節症では関節を柔軟にするためのストレッチや、周囲の筋肉を柔軟にすること、適切な運動により関節周囲の筋力の低下を防ぐ事が重要です。

適正体重を大きく超えないようにする食事や運動習慣も大事です。

痛みや違和感のあるときにはテーピングやサポーターなどを用いて関節の負担を

減らしてあげる事もとても大切です。

二次性関節症ではまずは原因となる疾病にかからないように注意することと、

罹患してしまった場合には原因となる病気の治療を適切に行ってあげる事が必要です。

 

【治療】

実際に痛みや関節の稼働域の低下、炎症などの症状が発生しているものが治療対象になります。

関節部にかかる負荷の軽減を目的として関節周囲の筋肉への手技療法やストレッチが有効です。

また、痛みの緩和や炎症を抑える目的で鍼灸治療を併用する場合も多いです。

変形性関節症や関節リウマチは鍼灸の保険を用いて治療できる事も多いです。

(※お医者様の同意が必要になります。)

治療では、実際に痛みの発生している関節だけでなく、その関節と関係する周囲の

関節や筋肉の治療も併せて行う事により、より治療効果を高める事が出来ます。

 

変形性関節症は全ての人に起こる可能性がある症状です。

早めに治療を行い、関節の変形の進行を抑える事が何よりも大切です。

なにかお身体にお困りの症状がありましたら、お気軽にご相談くださいませ。
※※※この記事を書いた院※※※

 

あみはりきゅう整骨院神田院

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院長 苗村拓哉